2006年11月14日

ポレンタ


冬に近づくと、少し身体が温まる料理が恋しくなるのはどこでも同じ。

『ポレンタ』は北イタリア地方の主食のひとつとして有名になりつつあるが、北イタリアといっても地方さまざまでここトレンティーノでは、とうもろこしの黄色い粉に水を足し、ひとつまみの塩を加え、火にかけて木のしゃもじでかき混ぜながら3~40分ほど煮る(練る)、というのが一般的。

ポレンタ専用のパイオーロという銅製の鍋は、どうやらじっくり煮こむのに適しているらしく、水が沸騰し、粉がどろどろしてくると同時に、家中にもろこしの少し焦げ付いたような香りが漂いはじめて、待っているだけでは気が済まなくなり、つい作るのを手伝いたくなってくる。底のほうから上に持ち上げるように、大きめのしゃもじで回しながら練り上げるのだ。

3~40分ほど火にかけるので、家のなかに香りも広がるが、室内も温まる、そして練るには力もいるから身体も温まる。おまけに、最後の仕上げにと入れておいたウサギの肉のローストなんかを高温のオーブンからとりだすという具合なので、冬の寒さが飛ぶくらい、身も気持ちもあったかくなる冬の時期のポレンタである。

0 件のコメント: